[アドレスマッピング]パネル

[アドレスマッピング]パネルは、ストレージスロットのアドレス指定方法を定義します。

[アドレスマッピング]パネルには、次のプロパティがあります。

アドレス方式

オブジェクトの[アドレス方式]では、ストレージシステムに複数存在する可能性のあるアドレス方式からどれをこのストレージオブジェクトに適用するかを定義します。なお、このプロパティを定義する必要があるのは、モデルがアドレス、つまりStorage.system.getSlot()メソッドを使用して直接スロットにアクセスする場合に限ります。

開始、幅、進行

オブジェクトのベイ、レベル、スロットに対して、開始、幅、進行の設定を定義できます。これらのプロパティの組み合わせによって、スロットを一意にアドレス指定することが可能になります。開始プロパティでは、ストレージオブジェクトの最初のベイ/レベル/スロットに関連付ける数字(または英字)を定義します。プロパティでは、特定のベイ/レベル/スロットから隣接するベイ/レベル/スロットに進むときに、アドレスをいくつ進めるかを定義します。進行プロパティでは、次のベイ/レベル/スロットに進むときの方向を、ストレージオブジェクトのローカル座標系に基づいて定義します。

これらのプロパティを使用してアドレス指定方式を正しく定義する方法をいくつかの例で示します。

  • 通路の左右を区別する - 多くの倉庫では、ベイ番号を偶数と奇数に分けて、通路の左側と右側を区別しています。たとえば、ベイ番号が偶数の棚を通路の左側に、奇数の棚を通路の右側に配置するとします。そのためには、左側のストレージオブジェクトの[開始ベイ]を2に、[ベイ幅]を2にします。つまり、このオブジェクトの「最初」のベイの番号は2で、次のベイの番号は4になります。通路の右側のオブジェクトの場合、[開始ベイ]は1に、[ベイ幅]は2にします。つまり、このオブジェクトの「最初」のベイの番号は1で、次のベイの番号は3になります。このようにすると、左側には偶数番号のベイを、右側には奇数番号のベイを定義できます。
  • 通路の両側に適切なベイ進行を定義する - [ベイ進行]プロパティを使用すると、通路の両側にあるストレージオブジェクトのベイ番号を適切に「進める」ことができます。ピッカーが通路を進むときに、右側のベイ番号と左側のベイ番号が同じように進む必要があります。ただし、通路の両側にあるストレージオブジェクトのピックフェースがどちらも通路側を向いている場合、[ベイ進行]のデフォルト設定(X+)では、ベイ番号の増加方向が互いに逆になります。そのため、通路の片方のストレージオブジェクトの[ベイ進行]をX-に変更すると、ベイ番号は同じ方向に増えます。
  • 床より高い位置をレベル「1」として定義する - アイテムを床と同じ高さに保管することが許可されない倉庫やラックがあります。その場合、レベル「1」は、床より上にある最初のレベルとなります。FlexSimでは、ストレージオブジェクトの底面(床面など)をオブジェクトの「最初」のレベルと見なします。そのため、この状況に合わせてオブジェクトをカスタマイズするには、まず、「床」と同じレベルにあるスロットをすべて格納不可として定義し、オブジェクトの[開始レベル]を0に設定します。これは、格納可能スロットの最初のレベルが、床より高いレベル1であることを意味します。

ゾーンID

オブジェクトの[ゾーンID]では、オブジェクトのアドレス方式に基づいてゾーンIDを定義します。ゾーンIDと通路IDの組み合わせによって、ストレージオブジェクトのスロットを一意にアドレス指定することができます。

通路ID

オブジェクトの[通路ID]では、オブジェクトのアドレス方式に基づいて通路IDを定義します。通路IDとゾーンIDの組み合わせによって、ストレージオブジェクトのスロットを一意にアドレス指定することができます。