基本TE

概要と主要な概念

基本TEオブジェクトは、開発者がユーザーライブラリの作成に使用できるタスク実行者です。ほぼすべての継承可能なタスク実行者ロジックをピックリスト関数に渡します。そのため、ユーザーライブラリの開発者は、タスク実行者の事実上すべての機能を指定できます。

基本TEはタスク実行者です。これを使用すると、基本TEのオフセット移動機能のロジックや、オブジェクトを停止/オブジェクトを再開、ピック/プレースオフセットなどの詳細機能を指定できます。

イベント

基本TEはすべてのタスク実行者に共通の標準イベントを使用します。これらのイベントの説明については、「タスク実行者の概念 - イベント」を参照してください。

基本TEには次の追加イベントがあります。

Advanced Functions

このイベントはさまざまな理由で起動します。ほとんどの場合、これらの通知のロジックを実装する必要はありませんが、実装はいつでも可能です。イベントが起動されると、Advanced Functionsトリガーが実行されます。

次のパラメータがあります。

イベントパラメータ タイプ 説明
Message Type 整数 通知のタイプ。詳細については、以下を参照してください。

次のとおり、さまざまなメッセージタイプがあります。

  • ADV_FUNC_CLASSTYPE - これはオブジェクトのクラスのタイプを取得するリクエストです。特定のビット数を高く設定した整数としてclasstypeが返される必要があります。この値は、ビット単位のOR演算子(|)といくつかのclasstypeマクロで作成できます。たとえば、FixedResourceのclasstypeは次のとおりです。CLASSTYPE_FLEXSIMOBJECT > CLASSTYPE_FIXEDRESOURCE。
  • ADV_FUNC_DRAGCONNECTION - この関数は、任意のキーボードのキーを押したまま、ユーザーがこのオブジェクトをクリックして別のオブジェクトにドラッグすると呼び出されます。この場合、マウスのドラッグ先のオブジェクトはparam(2)として、クリックされたキーのASCII値はparam(3)として、オブジェクトのclasstype値はparam(4)として渡されます。
  • ADV_FUNC_CLICK - この関数はオブジェクトがクリックされると呼び出されます。ここでクリックされたビューへの参照はparam(2)として渡され、クリックコードはparam(3)として渡されます。考えられるクリックコードは、DOUBLE_CLICK、LEFT_PRESS、LEFT_RELEASE、RIGHT_PRESS、RIGHT_RELEASEです。
  • ADV_FUNC_KEYEDCLICK - この関数は任意のキーボードのキーを押したままオブジェクトをクリックすると呼び出されます。ここではビューがparam(2)として、クリックコードはparam(3)として、押したキーのASCII値はparam(4)として渡されます。考えられるクリックコードは、DOUBLE_CLICK、LEFT_PRESS、LEFT_RELEASE、RIGHT_PRESS、RIGHT_RELEASEです。

Advanced Functionsトリガーの戻り値は、1または0となる必要があります。0の場合、指定した通知に関連付けられたデフォルトの機能がオブジェクトで実行されます。1の場合、オブジェクトではデフォルトの機能が実行されず、デフォルトが関数でオーバーライドされたとみなされます。

On Begin Offset

On Begin Offsetイベントは、オフセット移動オペレーションの開始時に起動します。On Begin Offsetトリガーを実行します。このイベントでは、x、y、zのオフセット位置が使用されます。オブジェクトは、指定されたオフセットを移動する方法を見つけます。

次のパラメータがあります。

イベントパラメータ タイプ 説明
X Location 倍精度浮動小数点数 リクエストされたxオフセット。これはオブジェクトのx中心からのオフセット距離です。
Y Location 倍精度浮動小数点数 リクエストされたyオフセット。これはオブジェクトのy中心からのオフセット距離です。
Z Location 倍精度浮動小数点数 リクエストされたzオフセット。これはオブジェクトのz基点からのオフセット距離です。
Item オブジェクト オフセットオペレーションに関連するアイテムがある場合、これはアイテムへの参照です。
End Speed 倍精度浮動小数点数 オフセット移動オペレーションのリクエストされた終了速度。
Max Speed 倍精度浮動小数点数 このオブジェクトの最大速度変数の値。
Acceleration 倍精度浮動小数点数 このオブジェクトの加速変数の値。
Deceleration 倍精度浮動小数点数 このオブジェクトの減速変数の値。
Last Update Speed 倍精度浮動小数点数 オブジェクトの最後の移動オペレーションの終了速度。
Rotate While Traveling 整数 これは1または0で、ユーザーが移動中にオブジェクトを回転させるかどうかを指定します。この値はオブジェクトのプロパティで定義します。

オフセット開始時の戻り値は、移動オペレーションを実行するのにかかる時間です。

On Finish Offset

On Finish Offsetイベントは、オブジェクトがオフセットオペレーションを終了すると起動します。これにより、オブジェクトの位置が最終的なオフセット位置に更新されます。このイベントはオブジェクトのOn Finish Offsetトリガーを起動させます。

次のパラメータがあります。

イベントパラメータ タイプ 説明
Offsetting Now 倍精度浮動小数点数 オブジェクトが現在オフセットオペレーションを実行している場合は1、それ以外の場合は0になります。オフセット開始時が起動すると、Offsetting Nowの値は自動で1に設定され、オフセット終了時が起動すると0に戻ります。
Offset Total Time 倍精度浮動小数点数 このオブジェクトがOn Begin Offsetトリガーから戻った合計時間。
Max Speed 倍精度浮動小数点数 このオブジェクトの最大速度変数の値。
Acceleration 倍精度浮動小数点数 このオブジェクトの加速変数の値。
Deceleration 倍精度浮動小数点数 このオブジェクトの減速変数の値。
Last Update Speed 倍精度浮動小数点数 オブジェクトの最後の移動オペレーションの終了速度。
Rotate While Traveling 倍精度浮動小数点数 これは1または0で、ユーザーが移動中にオブジェクトを回転させるかどうかを指定します。この値はオブジェクトのプロパティで定義します。
Load/Unload Time 倍精度浮動小数点数 オフセットオペレーションがロードまたはアンロードオペレーションの場合、この値はオペレーションのロード/アンロード時間です。

On State Change

このイベントは、Object.setState()コマンドまたはタスクシーケンスの実行プロセスによってオブジェクトの状態が変化したときに起動します。

次のパラメータがあります。

イベントパラメータ タイプ 説明
State 整数 オブジェクトが移行しようとしている新しい状態。
State Profile 整数 新しい状態のプロファイル番号。デフォルトの状態プロファイルは0です。

関数から0が返された場合、オブジェクトは状態を変更します。関数から-1が返された場合、オブジェクトでは何も実行されず、前の状態が保持されます。関数から正の数が返された場合、この新しい状態番号に状態が変わります。

On Update Offset

オフセット更新時イベントは、ビューがリフレッシュされてオブジェクトが描画される前に起動します。これは、オブジェクトが現在のオフセットオペレーションに基づいてその位置を更新するときです。

このイベントは、オフセット終了時イベントと同じパラメータを共有します。

Pick Place Offset

Pick Place Offsetイベントは、タスク実行者標準イベント、ピックオフセット、プレースオフセットと同時に起動されます。違いは利用できるパラメータです。プレースオフセットの場合、このイベントは、別の輸送オブジェクトがこのオブジェクトにフローアイテムを配置またはアンロードしようとしたときに起動します。ピックオフセットの場合は、輸送がこのオブジェクトからアイテムをピッキングまたはロードしようとしているときに起動します。

次のパラメータがあります。

イベントパラメータ タイプ 説明
Pick Operation 整数 これは1または0です。1はピックオペレーションを示し、0はプレースオペレーションを示します。
Item オブジェクト ピックされたアイテムまたは配置されたアイテム。
Other Object オブジェクト アイテムをピックまたは配置しているオブジェクト。
X Value Node ツリーノード このノードの値は、この関数で設定します。またこのノードの値は、この関数から返されるオフセット位置を表します。たとえば、ピックしているオブジェクトまたは配置しているオブジェクトをx方向に10、y方向に0、z方向に5にオフセットするには、xvalnode.value = 10、yvalnode = 0、zvalnode.value = 5を使用してX Value Nodeを10に設定します。
Y Value Node ツリーノード 「X Value Node」を参照してください。
Z Value Node ツリーノード 「X Value Node」を参照してください。

両オペレーションとも、ここでユーザーが独自のピックロジックまたは配置ロジックを実装中で、デフォルトのロジックを実行しない場合は、この関数から1を返す必要があります。0が返された場合、オブジェクトでは何も行われなかったとみなされ、独自のデフォルトロジックが実行されます。

Stop Resume

StopまたはResumeイベントは、タスク実行者標準イベント、停止時および再開時と同時に起動されます。違いは利用できるパラメータです。停止の場合、Object.stop()コマンドでオブジェクトが停止したとき、このイベントが起動されます。再開の場合、Object.resume()コマンドが呼び出されたとき、このイベントが起動されます。このイベントではオブジェクト停止 - オブジェクト再開トリガーが実行されます。このトリガーでは、オブジェクトがどのように「停止」され、どのように「再開」されるかの方法が定義されます。また、このフィールドでは、停止リクエストの数、停止前のオブジェクトの状態などを記憶しておくデータも管理します。

次のパラメータがあります。

イベントパラメータ タイプ 説明
Stop Operation 整数 この値は1または0です。1はオブジェクトが停止していることを示し、0はオブジェクトが再開していることを示します。
Stop State 整数 この値は停止オペレーションにのみ適用されます。リクエストを受けてObject.stop()コマンドに渡される状態を指定します。
Num Stops Node ツリーノード これが停止オペレーションである場合、この関数内でこのノードの値が1のみ増加します。再開オペレーションの場合、この関数内でこのノードの値が1のみ減少します。また、このノードの値を取得すると、このオブジェクトに対して呼び出された停止コマンドの数を把握できます。ユーザーはオブジェクトの初回停止時(ノードの値が0から1に変化)に、このオブジェクトを停止する方法を指定するロジックを実行します。オブジェクトの最終再開時(ノードの値が1から0に変化)には、このオブジェクトを再開する方法を指定するロジックを実行します。
Last Stop Time Node ツリーノード このオブジェクトの初回停止時に、このノードを現在の時刻に設定します。こうしておくと、オブジェクトの最終再開時にオブジェクトが停止した時間を把握できます。
State Before Stop Node ツリーノード このオブジェクトの初回停止時に、このノードをオブジェクトの現在の状態に設定します。これにより、オブジェクトが再開時にどの状態に戻るかを把握できます。
State Profile 整数 停止状態のプロファイル番号。デフォルトの状態プロファイルは0です。

ここでユーザーが独自の停止ロジックまたは再開ロジックを実装中で、デフォルトのロジックを実行しない場合は、この関数から1を返す必要があります。オブジェクトでは、この関数から戻り値0が渡されると、何も行われなかったとみなされ、独自のデフォルトロジックが実行されます。

状態

基本TEは標準のタスク実行者の状態を使用します。詳細については、「タスク実行者の概念 - 状態」を参照してください。

統計

基本TEはすべてのタスク実行者に共通の標準統計を使用します。これらの統計情報については、「タスク実行者の概念 - 統計」を参照してください。

プロパティパネル

基本TEオブジェクトでは、次のプロパティパネルを使用します。

プロパティ

基本TEオブジェクトは、いくつかのプロパティを、すべてのタスク実行者と共有します。