リソース

概要と主要な概念

この共有アセットは、取得およびリリース可能でサプライに限りがあるアセットを表します。たとえば、3つの製造ステーションがすべて1つのツールを共有する場合があります。このツールはここでは[リソース]としてモデル化されます。ステーションがツールを使用すると、このステーションは[リソース]を取得していることになります。[リソース]が取得されると、取得するトークンがそれをリリースするまで、他はどれもそのリソースを取得することはできません。[リソース]は、限られた量のアセットを複数のトークンが使用する必要がある場合のタイミング制約をモデル化するのに役立ちます。

リソースは[リソースを取得]アクティビティで取得され、[リソースをリリース]アクティビティでリリースされます。

リソースオペレーションモード

[リソース]は次の2つのモードで動作できます。

数値モード

[リソース]が数値モードで動作する場合は、単にリソースの可用性を判断するために数値を追跡します。この数値は0から始まります。アクティビティが[リソース]を取得すると数値が増え、リリースすると数値が減ります。[取得]アクティビティが[カウント]プロパティで定義された利用可能な[リソース]より大きい数量をリクエストしている場合、トークンはリソースを取得できません。

[リソース]を数値モードにするには、[参照]プロパティを[数値]と定義します。

数値モードの場合、[カウント]プロパティはシミュレーション中に動的に変更できます。トークンがリソースを取得しようとするとき、またリソースがリリースされるときに毎回再評価されます。時刻やその他のモデルパラメータに基づいて変更されるリソースをシミュレーションする場合にこれが役立ちます。リソースの合計数が取得されたリソースの数よりも少なくなった場合でも、トークンは[リリース]アクティビティでリソースをリリースするまで取得した値を保持します。

数値モードは、離散していないリソース数量をシミュレーションするためにも使用できます。たとえば、[リソース]に5.5の[カウント]を与えて1.5などの数量を取得できます。

オブジェクトモード

[リソース]がオブジェクトモードで動作する場合、リソースはモデル内で離散したオブジェクトセットにリンクします。このオブジェクトは、タスク実行者、固定リソースまたは他の3Dオブジェクト、配列(オブジェクト、文字列、または数値)かオブジェクトのグループにできます。TEオブジェクトまたはFRオブジェクトを使用する場合、[カウント]プロパティは必要なときにオブジェクトを複製できます。配列、ディスパッチャー、またはグループを使用する場合、[カウント]プロパティは使用できるセット内のオブジェクト数を定義します。トークンが[リソース]を取得すると、[リソース]は単に可用性番号を管理する代わりに、特定の取得済みオブジェクトへの参照を返します。このモードでは、[カウント]はシミュレーションの開始時に確立され、それ以降は変更できません。

オブジェクトを複製する

リソースがオブジェクトモードで、その[参照]プロパティがモデル内のオブジェクトを参照する場合、[カウント]プロパティを使用してcount - 1でオブジェクトを複製します。ここで、参照されるオブジェクトは利用可能な最初のリソースです。複製されると、タスク実行者のオブジェクトまたは固定リソースのオブジェクトは3Dビューで移動され、プロパティは個別に変更できます。リンクされたリソースに設定されたプロパティは、一度作成されると複製されたオブジェクトにプッシュダウンされません。参照されたオブジェクトから複製されたオブジェクト(ラベル)に変更を伝達するには、[カウント]を1に設定し、モデルをリセットしてから[カウント]を元の値に戻します。あるいは、[クイック]プロパティですべてのオブジェクトを選択して値を変更するか、[選択したオブジェクトを編集]ウィンドウを使用することもできます。

カウント]プロパティを処理フロー変数に結び付けて、[実験ツール]を介して複数の複製でカウントが変更されるようにすると便利です。リソースはモデルに新しいオブジェクトを追加し、必要に応じて未使用のオブジェクトを削除します。

リストを使用する

デフォルトでは、取得リクエストはFIFO(先入れ先出し)順に処理され、オブジェクトモードではリソースオブジェクト自体がFIFO順に配布されます。[デフォルトのクエリ]または[キュー方法]を[リソース]で使用する場合、またはこのリソースを参照する[リソースを取得]アクティビティが[クエリ]を使用する場合、[リソース]は[リスト]を使用するように切り替わります。[リソース]がこの[リスト]を内部に所有します。これにより、[リソース]は[リスト]の内蔵SQL機能を活用して、どのトークンにリソースを最初に割り当てるか、またどのリソースを割り当てるべきかを決定できます。[詳細]ボタンを使用すると、[クエリ]と[キュー方法]プロパティで使用できる[リスト]の追加フィールドを設定できます。

リソースは、参照フィールドでリストを参照することによって、リストの共有アセットへのパススルーとしても使用できます。グローバルリストを参照することもできます。

リソースがリストを使用している場合は、[リストからプル]アクティビティを[取得]アクティビティのように使用できます。これにより、割り当てるリソースやリソースの割り当て方法に関するオプションが増えます。

コネクター

[リソースを取得]アクティビティと[リソースをリリース]アクティビティのみを[リソース]に接続できます。リソースがそのアセットを管理するためにリストを使用している場合は、[リストからプル]アクティビティもリソースに接続できます。詳細については、「アクティビティを追加および接続する」を参照してください。

プロパティ

次の画像は、[リソース]共有アセットのプロパティを示しています。

これらの各プロパティについては、次のセクションで説明します。

名前

アクティビティの名前を変更するために使用します。このプロパティの詳細については、「名前」を参照してください。

フォント

フォント]ボタン で、アクティビティの背景色プロパティとフォントプロパティを編集するウィンドウが開きます。このプロパティの詳細については、「フォント」を参照してください。

統計

統計]ボタン でアクティビティの統計ウィンドウが開きます。このプロパティの詳細については、「統計」を参照してください。

参照

このボックスはリセット時にのみ評価されます。これは、数値、つまり3Dモデル内のオブジェクト、グループ、配列(オブジェクト、文字列、または数値)、またはその他のオブジェクトへの参照か、ノードのいずれかです。

カウント

取得できるリソースの数。[参照]プロパティがグループ、ディスパッチャー(チーム)、または配列(オブジェクト、文字列、または数値)に設定されている場合、カウントはグループ、チーム、配列内のオブジェクトの数以下である必要があります。グループ、チーム、配列に10個のオブジェクトがあり、カウントが5に設定されている場合は、最初の5個のオブジェクトのみが使用されます。オブジェクトの順序を変更して、使用する5つのオブジェクトを指定します。[実験ツール]で実装する際に、この機能は非常に便利です。[カウント]は[処理フロー変数]に設定でき、シナリオごとに変更される[実験ツール]変数として設定されます。[参照]が数値でない場合、このプロパティはリセット時にのみ評価されます。[参照]が直接参照(タスク実行者または固定リソース)の場合、オブジェクトは複製されます。詳細については、「オブジェクトを複製する」を参照してください。

タイプ

[リソース]は、グローバルまたはローカルに定義できます。[リソース]が[一般的な処理フロー]にあるか、グループまたは配列に接続されている場合、[リソース]はグローバルに利用可能になり、このプロパティは利用できなくなります。それ以外の場合、[ローカル]に設定して同じ処理フローインスタンス内のトークンのみが同じリソースに対して競合するようにできます。[タイプ]が[ローカル]に設定され、[参照]がディスパッチャーオブジェクト、タスク実行者オブジェクト、または固定リソースオブジェクトにリンクされている場合、オブジェクトは処理フローのインスタンスごとに複製されます。

キュー方法

多数のアクティビティがリソースを取得しようとしており、利用可能なリソースがない場合、その取得リクエストはキューにスタックされます。デフォルトではFIFO(先入れ先出し、先着順)です。[キュー方法]を定義することで、最初にリソースを与えられる対象をどれにするかをコントロールできます。それからキューはリストのバックオーダーとなり、SQLコマンドはキューの順序を決定するために使用されます。

デフォルトのクエリ

取得アクティビティで使用するクエリが存在しない場合に使用するデフォルトのクエリを定義できます。これらのクエリは、どのリソースを割り当てるかを定義します。

エントリを表示

[リソース]がリストを使用している場合にのみ有効です(「リストを使用する」を参照)。これで利用可能なすべてのリソースが表示されます。

バックオーダーを表示

[リソース]がリストを使用している場合にのみ有効です(「リストを使用する」を参照)。リソースを取得しようとしているすべてのトークンが表示されます。

詳細

[リソース]がリストを使用している場合にのみ有効です(「リストを使用する」を参照)。[リスト]プロパティページを開きます。