タスク4.1 - 実験ツール
タスクの概要
このチュートリアルでは、非常にシンプルな状況を調査します。まず、1人の作業員がソースからプロセッサまでアイテムを運びます。アイテムの処理が終了すると、同じ作業員が第2のプロセッサまでアイテムを運びます。このプロセッサは、第1のプロセッサより時間がかかります。第2のプロセッサでアイテムの処理が終了すると、作業員はアイテムをシンクに運びます。
ここで、プロセッサの位置を調整することでこのシステムのスループット(同時に収益にも関係)を最大化できるかどうかを調べたいと仮定します。各プロセッサを左右に最大3メートル移動できる場合、それぞれをどこに配置すべきでしょうか。両プロセッサをどのように配置すればスループットを最大化できるかを直感的に判断するのは非常に困難です。この問題を正確に解決するために、実験ツールとオプティマイザーを使用します。
このシナリオが極めて単純であることは明らかですが、実際の環境では、各種レイアウトが全体的なスループットにどのような影響を与えるかを把握したいということはよくあります。このシナリオは、こうした実験を非常にシンプルに実装したものです。
ステップ1 3Dモデルを構築する
このステップでは、このチュートリアルの基本的な3Dモデルを構築します。作業が終了すると、モデルは次の画像のようになります。
このモデルを構築するには:
- 3Dモデルウィンドウが開いていてアクティブであることを確認します。ライブラリから、次の3Dオブジェクトをモデルにドラッグします。
- [ソース]
- [プロセッサ]
- [プロセッサ]
- [シンク]
- [ディスパッチャー]
- [オペレーター]
- 次のテーブルに基づいてオブジェクトの位置を設定します。
オブジェクト Xの位置 Yの位置 Source1 -20.0 0.0 Processor2 -10.0 0.0 Processor3 0.0 0.0 Sink4 10.0 0.0 Dispatcher5 N/A N/A Operator7 N/A N/A - 次のロジックを設定します。
- Source1、Processor2、Processor3の[輸送を使用]をオンにします。
- Processor2の[処理時間]を「
normal(10, 2)
」に設定します。 - Processor3の[処理時間]を「
normal(12, 3)
」に設定します。 - Operator7の[リセット位置]を[現在の位置]に設定します。
モデルがこのステップの冒頭に表示した画像のようになっていることを確認します。
ステップ2 変数を作成する
[ツールボックス]の[統計]メニューから実験ツールを選択して実験ツールのウィンドウを開きます。このウィンドウだけでなく、モデル内のプロセッサも見えるように、ウィンドウを移動します。次の手順をまずProcessor2に、次にProcessor3に対して実行します。
-
- 3Dビューでプロセッサをクリックします。
- [クイックプロパティ]の[位置]ボタン をクリックし、直接空間の位置参照を設定します。
- ボタンの下矢印をクリックします。
- ポップアップメニューの [サンプル]を選択します。カーソルがサンプルモードになります。
-
[クイックプロパティ]メニューのX位置フィールドをクリックしてサンプリングします。新しい実験変数が追加されます。
-
新しい変数のScenario 1の値を設定するために、セルをダブルクリックし、新しい値を入力します。
-
変数の名前を設定するために現在の名前をダブルクリックします。Processor2については「
Proc2X
」と、Processor3については「Proc3X
」と設定します。
ステップ3 パフォーマンス指標を作成する
-
実験ツールウィンドウの[パフォーマンス指標]タブに移動します。ここで、次の手順を実行します。
- 新しいパフォーマンス指標を追加するために ボタンをクリックします。
- 新しいパフォーマンス指標の名前を「
Throughput
」(スループット)と指定します。 - ボタンをクリックし、最初のオプションを選択します。ポップアップが表示されます。
-
[オブジェクト]では[Sink4]を、[統計]では[入力]を選択します。このオブジェクトを選択するには、[オブジェクト]フィールドに「
Sink4
」と入力するか、次の手順を実行します。- ボタンをクリックします。
- オブジェクトのリストから[Sink4]を選択します。
- 終了したら、[選択]ボタンをクリックします。
ステップ4 実験を設計する
変数とパフォーマンス指標を作成したので、次に実験のシナリオをいくつか準備します。
- [シナリオ]タブに戻ります。
- シナリオを5つ作成するため、[シナリオ]の ボタンを4回クリックします。
-
シナリオ名と値を次のように入力します。
ステップ5 実験を実行する
[実験の実行]タブに移動します。 ボタンをクリックします。各シナリオが5回実行され、実行が終了するたびにThroughputパフォーマンス指標の値が収集されます。ステータスウィンドウには、現在実行中のシナリオ/複製が表示されます。マルチコアCPUが搭載されたコンピュータでは、複数のシナリオが同時に実行されます。
実験終了後、下部の ボタンをクリックします。ウィンドウが開き、シナリオのパフォーマンス指標のデータが表示されます。この例にはパフォーマンス指標が1つしかありませんが、複数ある場合は、各パフォーマンス指標の結果がこのウィンドウに表示されます。データの表示方法には、[複製プロット]、[頻度ヒストグラム]、[相関プロット](複数のパフォーマンス指標の相関を調べる)、[データの概要]、[未加工データ]ビューなど、複数のオプションがあります。
この実験では、「Close」シナリオが最も優れており、平均のスループットは約99パーツでした。最も劣るシナリオは「Far Apart」で、平均のスループットは約75パーツでした。
結論
ここでは、実験ツールの使用方法を学習しました。次のチュートリアルタスクでは、オプティマイザーの使用方法を学習します。「チュートリアルタスク4.2 - オプティマイザー」に進んでください。