このチュートリアルでは、非常にシンプルな状況を調査します。まず、1人の作業員がソースからプロセッサまでアイテムを運びます。アイテムの処理が終了すると、同じ作業員が第2のプロセッサまでアイテムを運びます。このプロセッサは、第1のプロセッサより時間がかかります。第2のプロセッサでアイテムの処理が終了すると、作業員はアイテムをシンクに運びます。
ここで、プロセッサの位置を調整することでこのシステムのスループット(同時に収益にも関係)を最大化できるかどうかを調べたいと仮定します。各プロセッサを左右に最大3メートル移動できる場合、それぞれをどこに配置すべきでしょうか。両プロセッサをどのように配置すればスループットを最大化できるかを直感的に判断するのは非常に困難です。この問題を正確に解決するために、実験ツールとオプティマイザーを使用します。
このシナリオが極めて単純であることは明らかですが、実際の環境では、各種レイアウトが全体的なスループットにどのような影響を与えるかを把握したいということはよくあります。このシナリオは、こうした実験を非常にシンプルに実装したものです。
このステップでは、このチュートリアルの基本的な3Dモデルを構築します。作業が終了すると、モデルは次の画像のようになります。
このモデルを構築するには:
オブジェクト | Xの位置 | Yの位置 |
---|---|---|
Source1 | -20.0 | 0.0 |
Processor2 | -10.0 | 0.0 |
Processor3 | 0.0 | 0.0 |
Sink4 | 10.0 | 0.0 |
Dispatcher5 | N/A | N/A |
Operator7 | N/A | N/A |
normal(10, 2)
」に設定します。normal(12, 3)
」に設定します。モデルがこのステップの冒頭に表示した画像のようになっていることを確認します。
[ツールボックス]の[統計]メニューから実験ツールを選択して実験ツールのウィンドウを開きます。このウィンドウだけでなく、モデル内のプロセッサも見えるように、ウィンドウを移動します。次の手順をまずProcessor2に、次にProcessor3に対して実行します。
[クイックプロパティ]メニューのX位置フィールドをクリックしてサンプリングします。新しい実験変数が追加されます。
新しい変数のScenario 1の値を設定するために、セルをダブルクリックし、新しい値を入力します。
変数の名前を設定するために現在の名前をダブルクリックします。Processor2については「Proc2X
」と、Processor3については「Proc3X
」と設定します。
実験ツールウィンドウの[パフォーマンス指標]タブに移動します。ここで、次の手順を実行します。
Throughput
」(スループット)と指定します。[オブジェクト]では[Sink4]を、[統計]では[入力]を選択します。このオブジェクトを選択するには、[オブジェクト]フィールドに「Sink4
」と入力するか、次の手順を実行します。
変数とパフォーマンス指標を作成したので、次に実験のシナリオをいくつか準備します。
シナリオ名と値を次のように入力します。
[実験の実行]タブに移動します。 ボタンをクリックします。各シナリオが5回実行され、実行が終了するたびにThroughputパフォーマンス指標の値が収集されます。ステータスウィンドウには、現在実行中のシナリオ/複製が表示されます。マルチコアCPUが搭載されたコンピュータでは、複数のシナリオが同時に実行されます。
実験終了後、下部の ボタンをクリックします。ウィンドウが開き、シナリオのパフォーマンス指標のデータが表示されます。この例にはパフォーマンス指標が1つしかありませんが、複数ある場合は、各パフォーマンス指標の結果がこのウィンドウに表示されます。データの表示方法には、[複製プロット]、[頻度ヒストグラム]、[相関プロット](複数のパフォーマンス指標の相関を調べる)、[データの概要]、[未加工データ]ビューなど、複数のオプションがあります。
この実験では、「Close」シナリオが最も優れており、平均のスループットは約99パーツでした。最も劣るシナリオは「Far Apart」で、平均のスループットは約75パーツでした。
ここでは、実験ツールの使用方法を学習しました。次のチュートリアルタスクでは、オプティマイザーの使用方法を学習します。「チュートリアルタスク4.2 - オプティマイザー」に進んでください。