FlexSimを他のシミュレーションツールと差別化する1つの機能として、シミュレーションモデルに多少の変動性やランダムさをすばやく簡単に組み込めることが挙げられます。FlexSimを使用すると、ビジネスシステムのさまざまな変動をシミュレーションできます。こうした数式を作成するために複雑な数学やプログラミングを知っている必要はありません。FlexSimには、任意の種類の乱数をランダムに算出するための適切な統計分布の選択に役立つ、分布セレクターというツールがあります。分布セレクターを使用すると、選択したオプションに基づいて数式が作成され、日々の需要や処理時間の設定に自動で適用されます。
分布セレクターは次の画像に示されています。
分布セレクターを使用すると、30の統計分布から乱数を生成する方法を選択できます。頻繁に使用される分布の概要については、「よく使用される統計分布」を参照してください。
各統計分布の設定を変更すると、さまざまな基準や数値の範囲を使用して乱数を生成できます。設定を変更した場合、青色の棒グラフが更新され、特定の数値が生成される確率が表示されます。
多くのオブジェクトプロパティで統計分布を使用できます。これらのプロパティで分布セレクターを使用するには、次のようにします。
さまざまな分布とそのパラメータの詳細については、このセクションの次のトピックを参照してください。
最もよく使用される分布は次のとおりです。
これらの各分布について、以降のセクションで詳しく説明します。
指数分布では、数値の範囲の先頭付近から多くの数値をランダムに選択します。目盛りの終わり付近の数値が生成される頻度は指数関数的に減少します。これは実世界で最も一般的な分布方法であるため、デフォルトの分布方法です。次の画像は、指数分布の例を示しています。
指数分布には次の3つの設定があります。
設定を変更した場合、青色の棒グラフが更新され、特定の数値が生成される確率が表示されます。通常、指数分布の棒グラフはあまり変化しませんが、グラフの最下部に表示される数字の範囲が変わります。
Duniform分布では、特定の範囲内の数値をランダムに選択します。小数点のある数値を含めることができるようにするには、代わりに一様分布を使用します。次の画像は、Duniform分布の例を示しています。
Duniform分布には次の3つの設定があります。
正規分布は、次の画像に示すとおり、分布曲線の中央にある数値がランダムに生成される可能性が高い、ベル曲線に似た分布方法です。
正規分布には次の3つの設定があります。
三角分布は正規分布に似ていますが、次の画像に示すとおり、分布曲線の中央にありランダムに生成される可能性が高い数値の範囲が、正規分布と比べて広くなっています。
三角分布には次の4つの設定があります。
一様分布は、特定の範囲内の数値をランダムに選択します。一様分布には、小数点のある数値が含まれます。整数のみを生成する場合は、代わりにDuniform分布を使用してください。次の画像は、一様分布の例を示しています。
一様分布には次の3つの設定があります。