モジュールSDKクイックスタート

概要と主要な概念

このドキュメントでは、FlexSimモジュールを短時間で簡単に作成する方法について説明します。開始前に、Visual Studio(CommunityまたはProfessional)の最新バージョンがインストールされていることを確認してください。

モジュール開発の準備

これらの手順はより一般的なもので、複数のモジュールを開発する場合でも、通常は1回だけ行えば十分です。

FlexSimの開発版の作成

モジュール開発の準備として、FlexSimの開発版を作成することをお勧めします。2つの簡単な手順で開発版を作成できます。

  1. Documentsフォルダに、「ModuleDevelopment」などの分かりやすい名前で新しいフォルダを作成します。
  2. C:\Program Files\FlexSim 2022(またはFlexSimの最新バージョン)をコピーし、開発用ディレクトリに貼り付けます。

これにより、FlexSimのコピーが作成されます。開発中は、FlexSimのこのコピーを使用します。利便性のため、このバージョンへのショートカットを作成しておくといいでしょう。

  1. 開発用ディレクトリのFlexSim\programに移動します。
  2. flexsim.exeを右クリックし、[ショートカットの作成]を選択します。
  3. ショートカットに「FlexSimDev」などの名前を付け、デスクトップに移動します。

必要なら、FlexSimの開発用コピーは別のユーザー設定ファイルを使用するよう構成できます(この場合、開発用コピーを開発モードに設定し、インストール済みのコピーはそのまま残すことができます)。

  1. 開発用ディレクトリのFlexSim\programに移動します。
  2. productid.txtという名前のファイルを、テキストエディタで開きます。
  3. 最初の行を、ModuleDevなど意味が分かる名前に変更します。

FlexSimの開発版は必要な数だけ作成できます。

FlexSimの開発ツールの有効化

FlexSimにはいくつかの開発ツールが組み込まれていますが、デフォルトでは有効になっていません。これらのツールを有効にするには、次の手順を実行します。

  1. FlexSimの開発版を開きます。
  2. VIEW:/environment/devにノードを追加します。
  3. このノードに番号データを与え、1に設定します。
  4. FlexSimを閉じます(これにより、新しいノードがユーザー設定として保存されます)。

次にFlexSimを開くと、devノードはそのまま存在し、右クリックメニューで追加オプションが利用可能になります。

[デフォルトを保存]ボタンの作成

モジュールの一部としてツリーにノードを作成するとき、進行状況を保存します。このために最も便利な方法は、モジュールの変更を保存するボタンをFlexSimに追加することです。

  1. FlexSimの開発版を開きます。
  2. ファイル]メニューの[グローバル設定]ウィンドウを開きます。
  3. ツールバーをカスタマイズ]タブで、左側にあるリストから[デフォルトを保存]を選択します。
  4. 追加>>]ボタンをクリックします。
  5. 適用]をクリックします。
  6. FlexSimを閉じ、これらの変更をグローバル設定に保存します。

新しいモジュールの作成

これで、新しいモジュールを作成できます。モジュールの名前を選択します。分かりやすく短い名前にします。スペースを含めてはいけません。例として、「ProcessFlow」や「AStar」などが挙げられます。

新しいモジュールを作成するには、そのモジュール用のフォルダを作成する必要があります。次の手順を使用します。

  1. 開発用ディレクトリのFlexSim\modulesに移動します。
  2. モジュールと同じ名前の新しいフォルダを作成します。

次に、必須モジュールノードをFlexSimに追加する必要があります。

  1. FlexSimの開発版を開きます。
  2. ツリーのMAIN:/project/modulesに移動します。
  3. モジュールと同じ名前のノードを追加します。
  4. そのノードに、installdataという名前のサブノードを追加します。
  5. [デフォルトを保存]ボタンをクリックします。

ノードの追加

これらの手順を完了したら、モジュールにノードを追加できます。

  1. ツリーにノードを追加します。
  2. ノードを右クリックします。
  3. [モジュール] > <モジュール名> > [追加として追加]を選択します。

モジュールにノードを追加してから、データやサブノードを指定して編集できます。ノードの編集が完了したら、[デフォルトを保存]ボタンをクリックして保存します。

モジュールにDLLプロジェクトを追加する

一部のモジュールは、カスタムC++コードを使用してFlexSimの機能を拡張します。このためには、次の手順に従います。

  1. module_template.zipをダウンロードします。
  2. ModuleDLLフォルダを、開発用ディレクトリのFlexSim\modules\<モジュール名>に展開します。
  3. FlexSim\program\system\includeのファイルを、ModuleDLL\flexsimcontentディレクトリにコピーします。
  4. FlexSim\program\system\libのflexsim.libを、ModuleDLL\flexsimcontentディレクトリにコピーします。
  5. ModuleDLL\module.slnファイルを、最新版のVisual Studioで開きます。
  6. ソリューションエクスプローラーのペインでプロジェクトを右クリックし、[名前を変更]を選択します。
  7. プロジェクトの名前を、「module」から、自分のモジュールの名前に変更します。
  8. ソリューションエクスプローラーのペインでソースファイルフォルダを右クリックし、[追加]をポイントして[既存の項目...]を選択すると、ファイルを選択する画面が表示されます。
  9. ModuleDLL\flexsimcontentフォルダに移動し、DllMain.cppを選択してから[追加]をクリックすると、このファイルがプロジェクトに追加されます。
  10. ソリューションを構築します。エラーなしに構築とリンクが完了するはずです。<モジュール名>.dllファイルが、モジュールのディレクトリに生成されます。