制限モデルをエクスポート

概要

FlexSimモデルは、一般に1人の人が作成し、その後、エンドユーザーとの間で共有します。一部のモデル作成者は、モデルロジック(FlexScriptコードと処理フロー)を知的財産と見なしています。その場合、モデル作成者は、ロジックを公開せずに作業用モデルをエンドユーザーに提供したいと考えます。

ロジックを非表示にする最良の方法は、C++ DLLを使用することです。そのモデルは、DLL内の関数を呼び出すことができますが、ユーザーはその仕組みを見ることができません。この方法は、特に複数のモデルで使用されるロジックに有効です。ロジックをカプセル化したモジュールを作成し、それをすべてのエンドユーザーと共有できます。DLLの作成の詳細については、「モジュールSDKクイックスタート」のトピックを参照してください。

ロジックを非表示にする2番目に優れた方法は、制限モデルをエクスポートすることです。どのモデルも制限モデルとしてエクスポートできます。まず、メインメニューで[ファイル]を選択し、[制限モデルをエクスポート...]を選択します。[制限モデルをエクスポート]ダイアログが開きます。

エクスポートするモデルに設定する制限を選択し、[エクスポート...]ボタンをクリックします。エクスポートするモデルを新しい名前と専用の拡張子「.locked.fsm」で保存するかどうかを確認するメッセージが表示されます。ファイル名を選択すると、FlexSimはモデルのコピーを保存し、指定された制限を適用するためにコピーに変更を加えます。エクスポート処理が完了すると、確認メッセージが表示されます。

エクスポートされたモデルには、このウィンドウの制限のみが適用されます。他のアクションは、ライセンスで制限を受けない限りすべて許可されます。ユーザーは、3Dビューの表示や、オブジェクトの追加、新しいFlexScriptコードの作成などを行うことができます。また、パラメータの変更やモデルの実行、実験ツールの実行も可能です。

制限

このセクションでは、エクスポートされたモデルに適用できる制限について説明します。

ツリービューを無効にする

ツリービューを無効にする]チェックボックスをオンにすると、エクスポートされたモデルでは、ユーザーが新しいツリービューウィンドウを開くことができなくなります。モデルをエクスポートする時点でツリービューが開いている場合、エクスポートされたモデルでツリービューが正しく表示されません。

新しいパスワードを設定する

新しいパスワードを設定する]チェックボックスをオンにすると、エクスポートされたモデルに適用するパスワードを指定し、確認できます。

すべてのFlexScriptを非表示にする

すべてのFlexScriptを非表示にする]チェックボックスをオンにすると、エクスポートされたモデルは、FlexScriptに切り替えられたすべてのノードを変更します。この対象には、ユーザーコマンドのすべてのコード、オブジェクトトリガー、FlexScriptを使用するアクティビティフィールドが含まれます。FlexScriptのテキストは、簡単な識別子に置き換えられます。その識別子によって、FlexSimは、元々そのノードにあったコードを実行できます。

その場合でも、エンドユーザーは、新しいオブジェクトの追加と新しいFlexScriptの定義を行うことはできますが、元のFlexScriptを見ることはできません。

このオプションをオンにするとき、[処理フローフィールドをFlexScriptに変換]もオンにすることができます。このチェックボックスをオンにすると、処理フローフィールドの大半がFlexScriptに変換され、その後でFlexScriptが非表示になります。対象には、[ラベルを割り当て]アクティビティのすべてのラベル名と値が含まれます。

処理フローのビューを無効にする

処理フローのビューを無効にする]チェックボックスをオンにすると、エクスポートされたモデルでは、ユーザーが新しい処理フローのビューを開くことができなくなります。モデルをエクスポートする時点で処理フローのビューが開いている場合、エクスポートされたモデルで処理フローのビューが正しく表示されません。

このチェックボックスをオンにする場合、2つの追加オプション[処理フローレイアウトの不明瞭化]および[処理フローのアクティビティ名を非表示にする]の適用も選択できます。最初のオプションは、すべてのアクティビティのサイズと位置を変更します。2番目のオプションは、アクティビティ名を非表示にし、一意の識別子で置き換えます。